東アジアの風見鶏

政治と外交と軍事についてです。

日本の核武装は日本の破滅の始まり

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お疲れ様です。Newsweekにこのような記事が掲載されていました。

www.newsweekjapan.jp

三浦瑠麗氏は記事の中でこのような提言を述べました。

強硬な動きと穏健な動きの両方が必要だ。強硬面では、北朝鮮周辺でアメリカが持つ軍事力の増強が必要だろう。北朝鮮の核施設やミサイル基地を狙った攻撃能力や、情報機関の格上げ、さらに日本と韓国が独自の核抑止力を持つことすら必要になるかもしれない。

三浦瑠麗氏は日本の核武装を容認する立場を明確にしました。しかし、日本が核配備を行うメリットは皆無に等しく、むしろデメリットの方が大きいと考えます。その理由を何点か述べたいと思います。

一つ目は日米同盟が根底から覆されてしまうためです。三浦瑠麗氏は記事の中でこのようなことも述べています。

トランプは2016年の米大統領選前、北東アジアの同盟国はアメリカの安保に「ただ乗り」していると批判していた。韓国と日本がより強硬な対北朝鮮政策を導入すれば、米政府や米国民から信頼を取り戻せるかもしれない。

まず東アジアのなかで日本・中国・韓国・北朝鮮のすべての国が核配備したとしましょう。その事実だけで、東アジアの安全保障は根底から不安定なものになるでしょう。つまり戦争が発生するリスクが高まってしまうのです

そして、アメリカのトランプ大統領はアメリカ大統領選挙の期間中に日本と韓国の核配備について発言したことで批判されました。なぜトランプ大統領はこのようなことを述べたのでしょうか。それは、「東アジアの問題は東アジアで解決して欲しい、そうすれば米国は戦争に巻き込まれなくても済む」という米国世論の空気を読んだ上での発言なのです。

「韓国と日本がより強硬な対北朝鮮政策を導入すれば、米政府や米国民から信頼を取り戻せるかもしれない。」と三浦瑠麗氏は述べましたが、もし日本や韓国が核配備した場合、アメリカから「じゃあ後は頼んだね」というかたちで核の傘の解消、ないしは戦争に巻き込まれないため日米同盟の解消の可能性すら存在します。

 

二つ目はNPT体制への重大な挑戦です。記事を引用します。

www.newsweekjapan.jp

現在の国際連合を中心とした核不拡散体制への重大な挑戦になるからです。日本が核武装宣言をするということは、具体的にはNPT(核不拡散条約)体制、そしてこれと表裏一体であるIAEA国際原子力機関)、更には、日本と各国の間で締結している「原子力協定」の総てから離脱することを意味します。

つまりNPT(核不拡散条約)体制によって世界各国の核兵器を少しでも減らしていくというコンセンサスを根本から揺らがせてしまいます。そこからの離脱は、国際社会から「我ガ代表堂々退場ス」と同じような目で見られてしまうでしょう。

日本が現在の北朝鮮やイランと同じような扱いを受ける可能性があります。そこには、貿易立国である日本の衰退につながるでしょう。

 

記事が長くなってしまったので、三つ目と四つ目の理由は後編に書きたいと思います。

大韓民国臨時政府で韓国は二つに割れる。

お疲れ様です。韓国の文大統領の演説についての続きです。
慰安婦」と「徴用工」についてブログを書いてきましたが、今回は「大韓民国の建国について説明したいと思います。
文大統領は演説でこのようなことを述べました。

www.chosunonline.com

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、光復節(日本による植民地統治から解放されたことを記念する日)の祝辞で、「2年後の2019年大韓民国臨時政府の樹立から100周年を迎える年だ」と述べた。前日(14日)に大統領府(青瓦台)で開かれた独立功労者との昼食会に続き、1919年の臨時政府樹立を「大韓民国建国」と見なすべきとの立場を明確にした格好だ。

韓国では右派と左派の間で、韓国が建国された年はいつかとうことでたびたび論争になります。
右派は、韓国の初代大統領である李承晩が大韓民国政府樹立を宣言した年が1948年であるため、右派は1948年こそが韓国が建国された年だと主張します。
一方左派は、1919年に大韓民国臨時政府という独立運動組織が上海で組織されたため、その臨時政府を正統と考えているため、1919年こそが韓国が建国された年だと主張します。

右派である朝鮮日報は、ムン大統領を批判しています。

www.chosunonline.com

左派であるハンギョレは、社説でムン大統領を褒めたたえています。

[社説]誰が「建国節」を主張して分裂をそそのかしているのか : 社説・コラム : ハンギョレ

私は大韓民国臨時政府は正統であるという主張そのものに無理があります。それはなぜかというと、そもそも大韓民国臨時政府は名前に「臨時政府」と名前は付けてはいますが、中華民国やアメリカを始め、どの国にも臨時政府として認められていないほかにも、臨時政府としての役割を行っていないため、そもそも臨時政府としての体をなしていません。ちなみに亡命政府としても認められていません。

韓国の憲法前文では大韓民国臨時政府の流れを現在の大韓民国が継承していることが書かれており、ムン大統領が改めてその「正当性」を強調した形になりました。

中韓スワップ終了で、韓国経済は未知の領域へ

お疲れ様です。中国と韓国の関係を示すニュースが出てきたので紹介したいと思います。

www.recordchina.co.jp

引用します。

環球網は、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題で中韓関係が冷却化する中、10月10日に期限を迎える中韓通貨スワップ協定の継続が難しい状況であるとする、韓国メディアの報道を伝えた。

通貨スワップ協定とは、自国が通貨危機の際に相手国の通貨を融通しあう協定のことで、中国と韓国は通貨スワップ協定を2008年12月から結んでおりましたが、韓国に米国のTHAADが設置されることの報復として、中国は通貨スワップの打ち切り行う予定のようです。

日本も韓国と通貨スワップ協定を結んでおりましたが、2012年に韓国の当時の大統領であった李明博による竹島上陸や、今上天皇への謝罪要求などの一連の韓国政府の行動に日本政府が辟易して、通貨スワップは打ち切りになりました。

その後、新しい通貨スワップを結ぶ会合が日韓の間で議論を開始することで合意しておりましたが、韓国の釜山にある日本総領事に慰安婦像が韓国の運動家によって設置され、日本政府はそれの報復処置として、駐韓日本大使の一時帰国のほかに日韓通貨スワップ協定締結にむけた議論の凍結を行いました。

韓国は日本との通貨スワップも打ち切られている上に、中国との通貨スワップも打ち切られようとしています。これは韓国経済そのもののリスクが高まることに他ならないのです。

日韓スワップ協定が結ばれる可能性ですが、かなり低いでしょう。というのも韓国の政治家がこのようなことを述べていました。

www.etoday.co.kr

通貨スワップ交渉を一方的に中断した日本側に先に手を差し出さないという立場を示し、「日本が立場を変えなければ、韓日通貨スワップ交渉開始はないだろう」とし、断固たる立場を堅持した

この立場を変えるというのは日韓合意を変更せよということに他ならないため、日本は立場を変えることができません。韓国政府が自国のナショナリズムに阿るのは勝手ですが、日米との関係がうまくいっていない中で、中韓関係もうまくかないと、韓国にとってかなりの不幸になるでしょう。

中央日報「日本は非常時支援基地」

お疲れ様です。中央日報でこのような記事が掲載されました。

japanese.joins.com

内容の趣旨としては、「日韓慰安婦合意は韓国では破棄するべきという声が韓国国内では多いが冷静になれ、もちろん責任は日本にあるが戦うべきではない、日本は謝罪の手紙を作成しろ」という内容です。

この記事にはいろいろツッコミどころがあるのですが、とりあえず三点ほどかいつまんで説明したいと思います。

①日本の責任

もちろん再交渉の声が高まるのは安倍政権の責任も大きい。安倍晋三首相から謝罪の誠意が感じられない。

このブログでも繰り返し述べていますが、国家間の合意というのは両国が納得したから合意として成り立つわけです。日韓合意を安倍政権の責任とする韓国のマスコミは腐るほど存在しますが、そもそも韓国政府が合意したという事実を忘れているようです。
また「謝罪の誠意」という言葉ですが、慰安婦問題自体、何回も謝罪を繰り返した上に蒸し返されてきた問題です。韓国のナショナリズムに応じるメリットはありません。

②謝罪の手紙

このため従来の合意を土台に首相の謝罪手紙の伝達など補完策を添えるのが望ましい。

謝罪の手紙の望むのであれば、それは韓国政府が日韓合意に含めるべきでした。日韓合意は「最終的かつ不可逆的な合意」であるため、合意後に「韓国世論がきびしいから謝罪の手紙のおかわりをちょうだい」というのは筋が通りません。それは韓国政府の見通しが甘かっただけの話です。

③非常時支援基地になる日本

北朝鮮と核ミサイル問題で対立する状況で非常時支援基地になる日本と協力するどころか戦線を形成するほど非理性的なこともない。

一番違和感を感じた部分はここです。中央日報は当たり前のように「日本は非常時の支援基地」となると断じていますが、朝鮮半島の非常時に韓国と協力するかどうか決めるのは安倍首相、もっといえば日本の有権者です。
韓国としては非常時に日本を後ろ盾として利用したい気持ちでいるようですが、現在の日米韓の足並みをそろえられないそもそもの原因は韓国にあります。
日本のなかでも慰安婦問題や徴用工問題をはじめとする歴史問題で日本を挑発する韓国を支援したいと考える有権者はいないでしょう。
中央日報は東アジア情勢をあまりにも甘く見積もりすぎではないでしょうか。

日本の法律を破ることを推奨する朝鮮日報

お疲れ様です。日本語版の朝鮮日報にて、日本ではあり得ないような記事が掲載されておりましたので紹介します。

www.chosunonline.com
引用します。

イ・ジェガプ氏は「2008年に初めて軍艦島に入った時は、明け方に釣り人を装って行った。部外者の立ち入りを監視する日本の行政船が現れる前にこっそり写真を撮らなければならなかった。危険だったが、本当に価値のあることだと思った。朝鮮人の宿泊場所には波が来るたびに海水が入ってきた。衛生状態もひどく見えた。その姿はあまりにもひどくて全身に鳥肌が立った」と言った。

軍艦島は2008年に長崎市で「長崎市端島見学施設条例」が制定されるまで基本的には立ち入り禁止で、2009年4月22日から軍艦島の一部が観光客が上陸・見学できるようになりました。

つまりイ・ジェガプ氏は長崎市の条例を破り、不法侵入によって撮影した写真を、展示しているというかたちになります。

この問題の根深いところはそれを無批判に掲載している朝鮮日報です。他国の法律を破っているこの人物を、無批判で紹介しつつ、英雄のような扱いで紙面に掲載しています。他国の法律を破っているのにもかかわらずです。

これは難しい問題ですが、韓国という国自体が法よりも情を優先してしまう傾向がある国だからだと思います。国民情緒法とも揶揄されるそれは、あまりに根深い問題です。

いまは陰謀論者が東大教授になる時代。

お疲れ様です。まずは以下のリンクを見てください。

www.blossoms-japan.com

引用です。

安倍政権の支持率が下降すると、必ず絶妙のタイミングで、北朝鮮からミサイルが寸止めの形で発射されてきます。敵対関係というよりはむしろ、お互いがお互いを必要とする、隠れた相互依存関係の存在すら感じられます。

つまり日本の安倍首相と北朝鮮金正恩氏が裏でつながっており、安倍政権の支持率が低下したら、北朝鮮金正恩氏が忖度してミサイルを発射しているという主張です。
いままで、田中龍作氏をはじめとした一部のジャーナリストがこのような主張を展開していましたが、大学教授、特に東大の憲法学者がこのような陰謀論を述べたことにネット上で驚きの声が上がっております。

仮に安倍首相が北朝鮮のミサイルをコントロール下に置いていたとしたら、そもそも北朝鮮と米国の対立なんて存在しないだろうし、現在のような東アジア情勢に陥ってないでしょう。

憲法の内容についても、自衛隊違憲状態でありながらも大多数の国民から必要とされ、憲法と現実で齟齬が起きているという状態をどうするべきか、という問いには明確には答えていなかったように感じます。

 

約束を守らない文大統領、今度は徴用工問題にも火をつける。

お疲れ様です。昨日もムン大統領の演説について取り上げましたが、さらに突っ込んだ内容を言っていたので解説したいと思います。

前回は慰安婦について取り上げましたが、今回は徴用工について取り上げたいと思います。

ムン大統領は慰安婦だけでなく、徴用工についても日本政府に対して取り組みを要求しました。

headlines.yahoo.co.jp

韓国の文在寅大統領は15日、日本の植民地からの解放記念日である「光復節」の演説で、慰安婦や徴用工をめぐる問題について「日本の指導者の勇気ある姿勢が必要だ」と述べた。具体的措置には触れなかったが、両問題での日本側の対応に事実上、不満を表明した発言だ。日本政府は慰安婦問題に関し「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった政府間合意の履行を求め、徴用工問題についても「1965年の日韓請求権・経済協力協定で解決済み」という立場。文大統領が今後、要求をエスカレートさせることも考えられ、「未来志向の関係発展どころか、関係悪化は避けられない」(日韓関係専門家)と懸念する声もある。

 韓国にとって慰安婦問題は、日韓請求権協定の時に議題に上がってないから日本には賠償する責任があると言うスタンスでした。しかし、徴用工は韓国政府は日韓請求権協定のときに議題に上がっているため、韓国政府は徴用工に請求権は無いとみなしていました。

しかし2012年に韓国の裁判所で日本企業が元徴用工に敗訴することが起きてしまい、事態は一変します。

japanese.joins.com

その後、徴用工問題が再燃し、韓国でムン大統領が就任してから徴用工問題が取り上げられる結果となったわけです。ですが、韓国にとって徴用工問題を取り扱うことは自分の首を締めることだと理解していないようです。

 要するに日韓請求権協定が不安定なものになった場合、貿易立国としての韓国の信頼性が著しく低下することです。国家間の約束や協定を国内事情によって変更し、現地の海外企業を次々と告訴すると、日本だけでなく海外からも、韓国は投資リスクが大きい国と認識されるでしょう。

そのような想像力をムン大統領が持っているかは知らないですが、韓国大統領には法に則った処置を行って欲しいと思います。

 

以下は韓国が専門の政治学者さんのツイート。