東アジアの風見鶏

政治と外交と軍事についてです。

原爆Tシャツのアイドルグループ問題における韓国政治家の反応。

韓国のアイドルグループが原爆Tシャツを着ていることが明らかになり、日本の番組の出演が取りやめになっているようです。

https://japanese.joins.com/article/032/247032.html

「韓日歴史教育のトリガー」になった防弾少年団の日本番組出演見送り(2)

その中でも韓国の政治家の発言を抜き出して伝えたいと思います。

洪翼杓(ホン・イクピョ)共に民主党首席報道官

「政治的な理由で防弾少年団の番組出演を見送ったことは非常に遺憾で不適切なことだ。民間交流にたびたび政治的なものさしを持ち込むのは韓日関係に役立たない」とし「日本は未来志向の韓日関係のためにより成熟した姿を見せてほしい」

 自由韓国党の尹永碩(ユン・ヨンソク)首席報道官

「日本の自己中心的な歴史認識と偏狭な文化相対主義に対して深い遺憾を表す。日本政府は放送の掌握を通した韓流殺しは世界的な嘲弄の対象になるだけだということを肝に銘じよ」とし「メンバーの1人が着たTシャツだけで出演を見送ったことは日本の文化的低級さを端的に示している」

 正しい未来党キム・ジョンファ報道官

「日本の破廉恥には底がない。居直りも行き過ぎる」とし、民主平和党のパク・ジュヒョン首席報道官も「日本が戦犯国であることを世界にさらに広報するだけだ。日本は偏狭な過去隠しから抜け出せ」

 与野党揃って、日本という国自体を批判しています。どうやら原爆Tシャツには問題がないというのが一般的な感覚です。

ちなみに東亜日報

最高裁が日本企業に元徴用工への賠償を命じた判決に結び付け、「判決に対する政治的不満を文化報復という稚拙な方法で爆発させている」と主張。「日本には『指導国家』の資格はない」

 と発言しています。

しかし、韓国一体がアイドルグループを擁護する形でしたが、このようなニュースが飛び込んできました。

www.buzzfeed.com

韓国の政治家たちが差別主義者でないのであれば「ユダヤの自己中心的な歴史認識と偏狭な文化相対主義に対して深い遺憾を表す。」や「ユダヤの破廉恥には底がない。居直りも行き過ぎる」と発言するべきでしょう。日本にだけ強気に発言して、ユダヤ人団体には弱気に発言することがあれば、単なるレイシストですから。

融和姿勢を崩さない文大統領と強硬姿勢を強く訴える安倍首相

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韓国ではいま平昌オリンピックが開かれておりますが、それと同じぐらい注目されているのが北朝鮮の動向です。

www.sankei.com

 スポーツに政治は持ち込まないという原則があるはずなのですが、韓国のアイスホッケーチームに北朝鮮の選手を参加させ、南北合同チームで出場させる韓国政府をはじめ、日本も安倍首相がオリンピックの開会式をきっかけに日韓首脳会談を行うなど、オリンピックに並行して様々な外交合戦が繰り広げられています。

さて、そのような中で韓国では韓国政府主導の北朝鮮との対話ムードができあがっていますが、オリンピックに訪問中の北朝鮮の高官が南北首脳会談の可能性を示唆しました。

文大統領としては韓国左派の念願である南北首脳会談をなんとしても実現したい意向ですが、安倍首相から経済制裁による圧力を強化するよう要請されています。

北朝鮮との融和姿勢を崩さない文大統領と北朝鮮への強硬姿勢を強く訴える安倍首相の対比は、日韓の連携を崩すことが目的である北朝鮮にとって、まさに願ったり叶ったりでしょう。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか、これはアメリカのトランプ政権が対北朝鮮外交において統一した見解を持たないことが見解でしょう。日本も北朝鮮も韓国もトランプ政権の顔色を伺いながら外交を行っておりますが、ペンス米副大統領が「直接対話は可能」と言ったと思ったら「核兵器を破棄するまで最大限の圧力をかける」など、相反するメッセージを織り交ぜており、アメリカの外交方針が読み切れないためです。

文大統領は南北首脳会談を実現させるために、米韓合同軍事演習についてあいまな姿勢をとっていますが、この北朝鮮による微笑外交によって核開発の時間稼ぎとなり、東アジアの緊張につながらないことを願うばかりです。

リチャード・マクレガー「中国共産党 支配者たちの秘密の世界」

書評です。  

中国共産党 支配者たちの秘密の世界

中国共産党 支配者たちの秘密の世界

 

 中華人民共和国を支配する中国共産党について書かれた本です。中華人民共和国憲法よりも上位に位置する中国共産党は、社会のあらゆる面で矛盾が生じさせています。その中で最たるものは「社会主義市場経済」です。

政治の面は中国共産党が支配し、経済の面では市場経済を導入する。「社会主義市場経済」は中国最大の矛盾です。なぜこのようなことが中国は起きるのでしょうか。

この本のあとがきでもこのように述べられています。

毛沢東後の共産党が「経済成長」と「ナショナリズム再興」という二つの基礎を強化してきたと言うことだ。

中国共産党は「経済成長を達成した」ことを喧伝したことに加え、「中国共産党大日本帝国を倒したのだ」という形でナショナリズムを煽ります。そうすることで中国共産党による支配を正当化したいのです。

また、中国共産党が最も恐れるのは自らの正当性を批判する言説です。中国のネット上では中国共産党を批判する者がいないか監視されます。

更に、経済的に豊かになった中国では民主化を求める運動が多くあります。2010年にノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏は中国の基本的人権民主化の運動を行っていましたが、中国政府によって投獄され、2017年に亡くなりました。

民主化の声を抑えつつ、経済成長のため国営企業中国共産党の息がかかった人物を派遣したり、抗日施設を全国各地に設置したりするのは、自らの正当性に傷がつくのを恐れているからです。

このように中国共産党がどのような行動原理で動いているのか、それはどのようなメリット・デメリットがあるのかを知りたい方には本書がオススメです。

峯村 健司「十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争 」

書評です。 

十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争

十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争

 

朝日新聞の特派員が書いた、中国、というよりも中国を支配する中国共産党の権力闘争について書かれた本になります。

とはいいつつも、この本は実に様々な内容を取り扱っており、例えば・・・
・ロサンゼルスにある中国高官の愛人村とは?
・アメリカのオバマ大統領と中国の習近平のトップ会談で話された中身とは?
習近平の一人娘はハーバード大学にいる?
などなど現在の中国事情について興味深い内容が多く書かれています。

中国の政治事情について興味が湧いたときに、最初に知るための一冊として重宝する本です。

小倉 紀蔵ほか「現代韓国を学ぶ」

書評です。

現代韓国を学ぶ (有斐閣選書)

現代韓国を学ぶ (有斐閣選書)

 

 本書は現在の韓国を韓流文化から、政治・経済・社会や安全保障、そして在日コリアンの問題など様々な面から韓国を解きほぐしており、韓国とはいったいどんな国なのかという問に様々な面から答えてくれる本です

「ほか」と書いている通り、序章と最終章以外の章はそれぞれの韓国の分野に詳しい方が分業して書いています。著者が書いている箇所で最も参考になったのが以下の記述です。

日韓は抱えている問題が似通ってきているのであり、それに対する解決策も、日韓でほぼ同時に提示されるという時代になってきている。(省略)「相手国に学ぶ」といっても、それはそこに正解があるという意味ではなくて、相手国の試行錯誤や失敗も含めて参照するということである。

この本を読んで感じたのは、韓国も日本と同じように少子化問題があり、米国との関係、中国との関係など、日本と同じ問題点があるということです。

そのため、日本と韓国は互いに問題に対して具体的にどのような解決策を行ったのか、そしてそれは成功したのかということを互いに参照する必要があります。そうすることで、自国の政策を評価することができるのです。 歴史問題など様々な面で対立している日韓ですが、抱える課題は共有した方がいいでしょう。

木宮 正史「国際政治のなかの韓国現代史」

書評です。

国際政治のなかの韓国現代史

国際政治のなかの韓国現代史

 

 大日本帝国朝鮮半島から引き上げた後、朝鮮半島には権力の空白地帯が生まれ、ソ連の影響を受けた北朝鮮、アメリカの影響を受けた韓国に分裂しました。その後の冷戦によって朝鮮戦争ベトナム戦争が勃発し、複雑な国際情勢で韓国はどのような経緯をたどったのか確認できます。

更に光州事件に始まる韓国の民主化は、それまで独裁だった韓国の政治を劇的に変化させ、そこから北朝鮮への太陽政策通貨危機、中国への接近へと、現在までつながる韓国政治について丁寧に理解できます。

本書は歴史的な事実を淡々と記述されており、良くも悪くも教科書的であり、辞書的です。この本によって現在の韓国事情が理解できるものではありませんが、韓国史の事実について調べたいときにこの本は重宝するのではないでしょうか。

日本政府が口出しできるのは大使館前の慰安婦像だけ

世界中で乱立する慰安婦像ですが、それについて外務省が懸念を示してしているようです。

this.kiji.is

日本政府としては慰安婦問題の象徴となっている慰安婦像が世界中に乱立する状況が、芳しくないと考えているようです。特に日本の政治家にとっては対外的に米紙に「慰安婦強制連行の証拠はない」という主張を「THE FACT」というタイトルで意見広告を出したことがあるため、国際的に慰安婦問題が拡散するのは恐るべきシナリオでしょう。

 

ですが、基本的に考えてその国に住む人が自由に像を設立するのは表現の自由の範疇です。日本政府も原爆を受けた被害から長崎に平和祈念像を設立しました。仮に長崎県平和祈念像を建設したことについて、アメリカ政府が像の設立を中止せよと申し入れた場合、どのような影響を与えるのでしょうか。

 

もし日本が口出しできる慰安婦像があるとしたら韓国のソウル市にある日本大使館前の慰安婦像、そして釜山市にある日本総領事館前にある慰安婦像の2体のみです。この二つは2015年に合意された日韓慰安婦合意の範疇に入っており、韓国政府はこの二つの慰安婦像何かアクションを起こす義務があります。

 

先月に文大統領は慰安婦合意を破棄しないと断言しました。そのため、韓国の慰安婦問題は韓国の国内問題となり、日本政府が追加で外交的にアクションを起こす義務は無くなったのです。それと同時に韓国政府は大使館前の慰安婦像の問題が適切に解決されるよう努力しなければなりません。

 

大事なことは世界中に乱立する慰安婦像についてオーバーリアクションをとらないことです。サンフランシスコに慰安婦像が設立されたときもそうだったのですが、本当は注目されるはずのなかった慰安婦像の設立が、日本が過剰にアクションをとったためにアメリカの主要メディアで報道されてしまう構図になってしまいました。

 

意見広告「THE FACT」もそうだったのですが、日本の政治家がこの広告を出したために、アメリカ合衆国下院121号決議という「従軍慰安婦問題の対日謝罪要求決議」に影響を出してしまったのは皮肉以外の何者でもありません。 日本の外務省を初めとした関係者は冷静に対処して欲しいと思います。