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東アジアの風見鶏

政治と外交と軍事についてです。

内田樹が堂々と民主主義を否定している件について。

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内田樹がこんな記事を書いています。

生前退位について (内田樹の研究室)

この記事から少し抜粋したいと思います。

内田樹の主張

安倍政権は立憲主義を否定する立場にあります。内閣総理大臣憲法に制約されない立場に置き、内閣が法律を起案し、かつ執行する独裁政体を作ること。これは端的に「法治国家」から、中国や北朝鮮のような「人治国家」への政体変換を意味しています。  

内田樹は安倍政権は立憲主義を否定しているという主張です。この件についてはかねてから氏が主張していることの繰り返しです。問題はそのあとです。

しかし、政体の変換がそこまで進むと、「同盟国」米国から反発が予測されます。米国は中国や北朝鮮というアジアのリスクファクターの制御のために日本と連携しようとしているわけですが、このまま安倍政権の思惑通りに政体改変が進めば、日本は「米国の独立宣言や憲法の価値観を全否定する同盟国」という奇妙な存在になってしまう。「北朝鮮化した日本」はアメリカの東アジアにおける新たなリスクファクターになる可能性がある。それは米国としても回避したい。

話がどんどんおかしくなってきます。日本は「米国の独立宣言や憲法の価値観を全否定する同盟国」という存在になるという主張です。どうやら内田氏はアメリカと関係が深く、なおかつ米国の価値観とは全く異なるサウジアラビアなどの国を知らないようです。

米国にとって日本はかつての敵国です。「同盟国」としてどこまで信頼できるかわからない。「空気」一つで「鬼畜米英」から「対米従属」に一気に変わる国民性ですから、当てにはできない。ですから、米国内に「安保法制で取るべきものは取ったから、首相はもう少し米国の価値観に近い人間に替えてもらいたい」という考え方が出て来ても不思議はありません。改憲日程が具体化すると、「改憲は止めて欲しい」というメッセージがかなりはっきりと示されるでしょう。いずれにせよ、全面改憲の最後のハードルになるのは野党ではなく、天皇ホワイトハウスでしょう。日本が民主主義の主権国家ではなく、君主制を持つ米国の属国であるという現実が、そのとき露呈されるわけです。

 そして安倍首相が改憲日程を具体化すると、ホワイトハウスから「やめてほしい」というメッセージが示されると主張します。

そもそもアメリカが憲法に口出ししたら内政干渉だろう

そもそも日本で具体的に改憲を行う場合、国会の3分の2の賛成後、国民投票にかけられます。国民投票で賛成多数の場合のみ改憲が可能になります。もしそのプロセスで行われた改憲をアメリカが否定するならば、それは単なる内政干渉であり立憲主義の否定でしょう。憲法を決めるのはまず国民です。内田氏が主張するアメリカではありません。

アメリカは外交において独立宣言や民主主義を重視しているはずがない

アメリカは外交で他国に民主主義や独立宣言などを重視しているとは思いません。先ほども例をあげましたが、サウジアラビアなどは米軍基地が駐留しており、事実上の同盟国だと考えられています。アメリカはサウジアラビアに「米国の価値観」を強制したことがあるのでしょうか。そんなはずがありません。サウジアラビアは民主主義国ではなく王国ですし、女性の人権や宗教の自由が度々問題になる国です。

なぜ、アメリカはそのような国と良好な関係を築いているのでしょうか、それはサウジアラビアは石油産出国であり、アメリカ政府とサウジアラビア政府の間で利害が一致しているからです。内田氏のように「アメリカが独立宣言や民主主義を日本に強いる」という主張は希望的観測に過ぎないことがわかります。

日本が属国だと認識しているのならば、9条を改憲するべきでは

日本のリベラルに当たる人たちから、日本はアメリカの言いなりであり属国だという批判があります。なぜ日本はアメリカの属国と言われるのでしょうか、それは日本の安全保障がアメリカの在日米軍によって保障されているからです。日本とアメリカの関係が悪化した場合、それは日本の安全保障の危機となります。日米関係の悪化が日本の安全保障の悪化につながるのであれば、日本で自前の戦力を持つ必要があります。その時に壁になるのが憲法9条です。

日本の軍事力増強は、経済的負担が大きいため、私自身は賛成ではないですが、内田氏がどれだけちぐはぐなことを言っているかお分かりだと思います。

結論:そもそも内田氏は立憲主義や民主主義を否定している。

そもそも自分が望まない憲法が成立しそうな時に、外国からの外圧を期待している時点で、彼が民主主義というプロセスを軽視していることがお分かりだと思います。口では「立憲主義が大事だ、民主主義が大事だ」と主張しながら、アメリカからの内政干渉を期待している時点で、「本末転倒」という言葉がそのまま当てはまるのではないでしょうか。