東アジアの風見鶏

政治と外交と軍事についてです。

韓国政府が安倍首相に元慰安婦への「お詫びの手紙」を求めている件について。

 お疲れ様です。のような記事が流れてきました。

www.chosunonline.com

この朝鮮日報の書き方だと日本の民間団体が「元慰安婦へのお詫びの手紙」を求めているように見えますが、実際は韓国政府の外交部が求めたものでしょう。9月20日にこのような記事が掲載されています。

japanese.joins.com

そしてそれを受けて上野千鶴子氏を代表とした運動団体が記者会見を開いています。

japan.hani.co.kr

「お詫びの手紙」の実現可能性

さて、韓国政府が安倍首相に元慰安婦への「お詫びの手紙」を求めてるようですが、実際のところそれが行われる可能性は極めて低いでしょう。それはなぜかというと、去年の12月28日に行われた慰安婦合意の枠組みの中で、「お詫びの手紙」は一切合意の中に入っていないからです。

そもそも日本政府の立場としては、慰安婦合意の10億円で「不可逆的な合意」のはずなのに、韓国政府がその立場を崩しながら再度日本政府に要求する姿を見ると、韓国政府の信頼性そのものが揺らぐはずです。

もちろん日本政府としては、合意の枠組みを崩すわけにはいかないため反対の様子です。

www.nikkei.com

なぜ失敗したことを繰り返そうとするのか

もともと元慰安婦への「お詫びの手紙」というのは初めて出たアイディアではありません。小泉政権時代に設立した元慰安婦を支援するアジア女性基金を設立する際に、小泉首相のサインが記載された「お詫びの手紙」を元慰安婦の方々へ渡しました。

アジア女性基金事業実施に際する内閣総理大臣の手紙

結果どうなったかといえば、アジア女性基金は失敗に終わりました。そもそも「このアジア女性基金は真の謝罪ではない」、「日本の民間が資金を拠出した基金のため、政府から資金が拠出されていない」、「そもそも日本政府の法的な責任は明確に出ていない」など言って日本政府が作成した「お詫びの手紙」をただの紙くず同然にしてしまったのは他でもない韓国政府自身です。

それを韓国政府の立場が危うくなったため、日本政府に「お詫びの手紙」を要求することなどあまりにも虫が良すぎる話です。

それでも「お詫びの手紙」が欲しいならば

韓国政府がそれでも「お詫びの手紙」が欲しいのであれば、慰安婦合意の中にある「慰安婦像の処理」速やかに行う必要があります。韓国政府は合意されたはずの「慰安婦像の撤去」を行う姿勢がなく、合意を履行する意思が見えません。ですので日本政府が「お詫びの手紙」を履行すると同時に韓国政府も「慰安婦像の撤去を速やかに撤去する」を履行するのであれば、日本政府にもメリットがあると思います。