東アジアの風見鶏

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韓国の釜山で慰安婦像が設置された件と慰安婦合意について

パク大統領が弾劾されて久しい韓国ですが、どうやら新しい慰安婦像が総領事館前に設置されたようです。

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経緯を説明すると慰安婦を支援する団体側が一度設置したのですが、釜山の東区長が警察や職員などを動員してそれを一度撤去しました。そして東区長が厳しい批判に耐えきれず、容認したということになるようです。

ここでちょうど一年前に日韓で合意された慰安婦合意の中身を見てみましょう。

日韓両外相共同記者発表 | 外務省

(2)韓国政府は,日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し,公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し,韓国政府としても,可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて,適切に解決されるよう努力する。

慰安婦合意の中にはソウルにある在日本大使館前の慰安婦像について、韓国の伊外相はこのようなことを述べています。韓国政府としても「公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知」しており、「適切に解決する」と約束しています。

つまり、今回新しく釜山で慰安婦像が公道に建てられましたが、この件についても日本の公館の前に建てられた限り、 「適切に解決」されるべき内容だと考えます。

しかしながら慰安婦合意後の韓国世論は反対意見が強く、慰安婦像を「解決」するような努力はありませんでした。分かりやすくいうと、韓国政府の「解決」の努力がなかったからこそこのような事態を招いたのだと思います。

これからの日本政府の方針としては、慰安婦合意を尊重する姿勢を保ちつつ、外交ルートで遺憾の意を伝えるぐらいしか方法がないです。慰安婦合意後のこの問題は、あくまで韓国の国内問題ですので、日本政府が出てくるようになるとこじれてしまう可能性もあるからです。

 

追記:少なくとも一年前の慰安婦合意は、元慰安婦生存者46人中34人が償い金を受け取っているという当事者の方々の大部分は支持している内容です。ですが、今回の件はあくまで韓国の世論が合意そのものに反対しており、それが今回の件につながったと推測します。