読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

東アジアの風見鶏

政治と外交と軍事についてです。

駐韓大使一時帰国について何か述べる前に慰安婦合意について確認しましょう。

東亜政治

あけましておめでとうございます。年明けから一時帰国についてのニュースについて何か書きたいとは考えてはいたのですが、仕事が忙しく土曜日の仕事が終わってからちょこちょこ書いています。

www.asahi.com

 

去年の年末に釜山の日本総領事前に慰安婦像が建てられ、それを韓国政府が撤去せず、事実上黙認した姿勢を見せました。日本政府はこの件について、対抗処置が必要として「駐韓大使らを一時帰国」を指示したのだと考えます。

もう一度読みたい慰安婦合意

日韓両外相共同記者発表 | 外務省

上記のリンクから合意事項について抜き出します。一つ目が、

韓国政府が,元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し,これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し,日韓両政府が協力し,全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業を行うこととする。

 二つ目が、

上記の措置を着実に実施するとの前提で,今回の発表により,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。

三つ目が

韓国政府は,日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し,公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し,韓国政府としても,可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて,適切に解決されるよう努力する。 

です。整理すると日本政府にも韓国政府にも履行する義務というものがありまして、日本政府には「韓国政府が設立する財団に資金(具体的には10億)を拠出すること」を行い、韓国政府には「財団を設立し、癒しのための事業を行うこと」と「公館前の慰安婦像について、関連団体と協議を行う等を通じて、適切に解決すされるよう努力する」ことがそれぞれの義務になっています。

日本政府は10億円を和解・癒し財団に拠出しているため、日本側は履行済みとなりました。韓国政府は財団を設立して、元慰安婦の方々に資金を拠出しており、着実に進行していますが、慰安婦像に関しては韓国の世論に押される形となり履行できず、冒頭のような事態になってしまいました。

追記するとすれば慰安婦合意には、公館前に慰安婦像を新設させないという項目が無いため、像の新設は合意違反ではないと認識している人がいるらしいですが、それは単に日本語能力が無いのだと思います。

韓国政府は公館前の慰安婦像について、「公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知」しているのため、別の公館前に日本大使館前と全く同じような像が新設されたのだから、合意の範囲内と考えるのがごく自然となります。