東アジアの風見鶏

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だまされないための「韓国」 あの国を理解する「困難」と「重み」

書評です。書名は「だまされないための韓国」です 

だまされないための「韓国」 あの国を理解する「困難」と「重み」

だまされないための「韓国」 あの国を理解する「困難」と「重み」

 

  大学のほかメディアにも登場し、またネット(主にtwitter)でも有名な木村幹氏と浅羽祐樹氏の対談本です。

この本は著名な韓国政治学者でもある両名の対談本ですが、対談が行われた時期は、朴槿恵前大統領がろうそくデモで退陣に追い込まれた直後になります。時期的には少し前の内容になっておりますが、次期大統領に文氏が大統領になるだろうと明言したり、徴用工問題は道筋を予想したりするなど、2017年の現在でも非常に示唆が多くある本です。

そのようななかで私が最も膝を叩いた部分は以下の部分です。16pの浅羽先生の発言です。

その「すごい日本」の写し鏡として、韓国はダメだと言うべきである。いや、論理的に必ずダメでなくてはならない。あらゆる話題をはじめからそうした彼我の相互参照フレームに落とし込んでしまうと、それに合わない様相は一切見えてこなくなります。

現在の日本は20年前に比べて国力が下がっていると考えられいます。外国人に「日本スゴイ」といわせて自尊心を落ち着かせる番組も数が多くなりました。日本スゴイというためには比較対象になる国が必要であり、そのために比較対象にされたのが地理的にも文化的にも日本に似た韓国だったのです。そして日本をスゴイというためには比較的に韓国はダメだといわなければなりません。そしてそれは、私たちの韓国への偏見を根強くしてしまう原因になるのです。

ナショナリズムに阿るような嫌韓本とは違い、この本は政治学の視点から韓国政治の視点を提供してくれます。歴史認識の問題や安全保障の問題など現在の日韓関係で必要な知識はこの一冊でかなり勉強できるのではないでしょうか。