東アジアの風見鶏

政治と外交と軍事についてです。

日本政府が口出しできるのは大使館前の慰安婦像だけ

世界中で乱立する慰安婦像ですが、それについて外務省が懸念を示してしているようです。

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日本政府としては慰安婦問題の象徴となっている慰安婦像が世界中に乱立する状況が、芳しくないと考えているようです。特に日本の政治家にとっては対外的に米紙に「慰安婦強制連行の証拠はない」という主張を「THE FACT」というタイトルで意見広告を出したことがあるため、国際的に慰安婦問題が拡散するのは恐るべきシナリオでしょう。

 

ですが、基本的に考えてその国に住む人が自由に像を設立するのは表現の自由の範疇です。日本政府も原爆を受けた被害から長崎に平和祈念像を設立しました。仮に長崎県平和祈念像を建設したことについて、アメリカ政府が像の設立を中止せよと申し入れた場合、どのような影響を与えるのでしょうか。

 

もし日本が口出しできる慰安婦像があるとしたら韓国のソウル市にある日本大使館前の慰安婦像、そして釜山市にある日本総領事館前にある慰安婦像の2体のみです。この二つは2015年に合意された日韓慰安婦合意の範疇に入っており、韓国政府はこの二つの慰安婦像何かアクションを起こす義務があります。

 

先月に文大統領は慰安婦合意を破棄しないと断言しました。そのため、韓国の慰安婦問題は韓国の国内問題となり、日本政府が追加で外交的にアクションを起こす義務は無くなったのです。それと同時に韓国政府は大使館前の慰安婦像の問題が適切に解決されるよう努力しなければなりません。

 

大事なことは世界中に乱立する慰安婦像についてオーバーリアクションをとらないことです。サンフランシスコに慰安婦像が設立されたときもそうだったのですが、本当は注目されるはずのなかった慰安婦像の設立が、日本が過剰にアクションをとったためにアメリカの主要メディアで報道されてしまう構図になってしまいました。

 

意見広告「THE FACT」もそうだったのですが、日本の政治家がこの広告を出したために、アメリカ合衆国下院121号決議という「従軍慰安婦問題の対日謝罪要求決議」に影響を出してしまったのは皮肉以外の何者でもありません。 日本の外務省を初めとした関係者は冷静に対処して欲しいと思います。